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ニャンピース8
人質救出劇がまさかの展開!
大ピンチに次ぐ大ピンチ。
ここで冒険が終わるんじゃねえのかってほどのラスボスが現れた!

どうする!?どうなるの!?
いまだにグランドラインに入ってないよ!?


ニャンピース!




「にがさねえよっ」
 一瞬でエリファスと間合いを詰めるホワイトペイン。
 かろうじて船室のドアを閉めるエリファス。
 ドアに背を向けてドアを封じる。
「かんっぜんに気づかなかった」
 冷や汗をかきながらもドア越しにホワイトペインに話しかける。
「緊張感が足りないんだお前は」
 意外とドアを開ける様子もなく応えるホワイトペイン。
 しかし油断をさせておいていきなり開ける事はわかっているので、
エリファスはがっしりドアを抑えている。
 数十秒が経った。何かかすかに揺れ、物音がした。
「しまった・・・・・・」
 明らかに室内に気配がない。
 エリファスは梯子のしたで突っ伏しているぷにこを見下ろしつつ梯子を昇った。
 なにやらぴくぴくしているがそのうちに復活するであろう。
 頭だけ出し甲板をぐるりと見渡した。
 梯子の周りに居た元海賊達は泡を吹いて倒れている。
 梯子を昇りきってエリファスは大きく息を吐いた。
 接舷していたガレーの船員達も倒れたり尻餅をついている。
 かろうじてこざるが帆にしがみついているくらいであった。
 こちらの船尾には正座をしているALFと樽の上で煙草を吸っているホワイトペインが居た。
「いきなり白さんが床下から・・・・・・」
 ALFがこちらに向く。心なしか頭上から耳が垂れているように見える。
 ホワイトペインはにやにやしている。
「途中までは良かったんだけどな」
 エリファスは舌打ち一つ。
「あいつどっから・・・・・・」
 エリファスはホワイトペインの足元を見る。
 人一人通れるくらいの穴が空いている。
 器用に最小限の破壊で空けたのだ。
 その下では他の海賊達と同じく泡を吹いて倒れているサーフィーが居るはずだ。
「泳いで取り付いたみたいですの」
 ALFはしゅんっとしながら応える。
「まじか・・・・・・ってあの腰抜け海賊か?」
 戦闘から逃げたサーフィーは足を滑らせ海へと落ちた。
 命からがら着いた先はエリファス達のキャラベルだったという事だ。
「だからお前ら役割が」
 これから長時間の反省タイムが始まる・・・・・。
 ことはなかった。
「よし、じゃ俺あのガレーで帰るから」
「え・・・・・・ちょ・・・・」
「むしろ何楽しようとしてんの?」
「え・・・・あ・・・・・はい・・・・」
 エリファスは立ち尽くして曖昧な返事をするしかなかった。
 元々キャラベルでグランドラインに入れという指示だったのだ。
 ホワイトペインは樽から起き上がるとガレーに乗った。瞬時に。
 意識のあった海賊達が一斉に輪をかくように離れる。
 何が起こっているか分からないが、おそらくこの者の手によるものと野生の感で危険を感じたのだろう。
 その時、砲弾がガレー後部からやや離れた場所に飛んできた。
 そう、まだ海戦は続いているのだ。
「あーえる、蹴散らしてからにしようか」
 ホワイトペインはキャラベルの方を向いて言った。
「って、本国は大丈夫なのか!?」
 本来は最前線で指揮を取っているはずの者がここに居る。
 精鋭2艦隊と司令を欠いた状態という事である。
「だから早く帰らないと!そしてこの船使わないと!」
 ホワイトペインが口調だけ焦ったように言う。
「ぱぱっと片付けますかー」
 久しぶりの同じ船での戦いになるのがエリファスには単純に嬉しかった。
 笑顔を見せると帽子を深くかぶる。
「キャラベルは一旦岸に置いて、あぁ隣のチェストに俺の副官君が入ってるから大丈夫」
 まさかりんごじゃねえだろうなとホワイトペインの嫁の顔を想像したエリファスは苦笑いをした。
「える砲撃長、こざるは斬り込み、えろふは補助、アドちゃんはチェストの中!」
 ホワイトペインの言葉を受けてエリファスは笑いながらアリアドネを抱きかかえた。
「ちょパパまで、にゃんこ降ろすんお!」
 アリアドネが非難の声を上げるのが行動の合図となった。
 従う気の無い者は陸に降ろした。10人にも満たなかった。
 ブリテン人の船乗りの処遇を考えたが、幸いアフリカで調達された奴隷と水兵のみであった。
 海賊の下っ端という者は居場所が変われば気質も変わる程度の人間である。
 一人前に仕立て上げれば良い海兵となるであろう。
 奴隷は身分を解放した。ホワイトペインにとっては部下も奴隷も差が無い。
 奴隷は陸に上げればまた他の奴隷となるだけなので一旦海兵となる事だけは義務付けた。
 捕らえた上層部は迷わず斬り捨てた。ホワイトペインとエリファスが何の感情も持たずに。
 女海賊のサーフィーだけは助けた。「なんだかんだ可愛い」という理由で。

 ガレーを旋回させ帆を揚げた。予備帆のポルトガル紋章をつけて。
 風を使い、櫂を使い徐々に速力を増す。
「ぷ・・・・・ぷにたんも働くお」
 いつの間にか復活して乗船していたぷにこがアリアドネを受け取った。
「お姉ちゃんは積荷じゃないん・・・わっ」
「ぎゃっ」
 二人が同時に声を上げた。
 倒れたぷにこをクッションにアリアドネが女の子座りで乗っている。
 船が急速旋回したのだ。
「左舷より2、後方クリア」
 ALFが状況を伝えるとホワイトペインは速度を上げさせた。
 大きく迂回し左舷からくる船の頭を取る形を狙う。
 敵は二手に分かれてこちらの船首と船尾を挟む形にもっていくつもりだ。
 エリファスが号令を発し、威嚇の射撃を行った。
「戦闘と見せかけて無視ですねー」
 ALFは左舷に警戒をしつつも前方の戦場を見る。が、
「撃沈1!」
 砲手の方から声があがる。
 威嚇のつもりの砲弾が船首の致命的な場所に当たり、
 船体が傾いたところを再装填した砲で沈めた。
「さすがえろぱしゅ・・・やりよる・・・・・・」
 ALFが素直に関心した。そしてホワイトペインの方を見る。
「もう1隻どうします?」
「ほっとけ」
 1隻の撃沈により残りの1隻は戦場から孤立する形となった。
 ここで勝負する意味はない。
 目に見える物だけに固執してしまうと戦局が見えず、結局の負けを得ることになる。
 狙うは敵の司令艦だけである。
 戦場の中心地は阿鼻叫喚の態だった。
 しかしながらさすがエスパニアン、完全な優勢である。
 友軍を支援しつつ敵をあしらい、旗艦を探す。
 やがてALFの目が数隻とやりあう大型のガレーを見つけた。

続く。
by eliphas_s | 2013-06-18 23:57 | 脳内連続小説
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