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時は大海賊時代 5
「俺の財宝?ほしけりゃくれてやる。探してみろ。この世の全てをそこに置いてきた」

                             - 海賊王 ゴールド・ロジャー -


「で?」

                             - 大提督 ホワイトペイン -


「んぁあああ」
 気の入っていない間抜けな声でエリファスは机から顔を上げた。
 酒場は人々の喧騒から店員が食器を片付けている音に変わっていた。
 床で寝ている者や、同じく突っ伏していた者達が次々と起きていく。
 夜の酒場から昼の食堂と変わる時間であった。
「ん、お姉ちゃんとぷにこがおらん」
 エリファスはキョロキョロと辺りを見回したがどこにも姿は無い。
 まだ突っ伏して寝ているこざると椅子で寝ているALFを蹴り起こした。



「ぐぼえ」
 ALFは腹に蹴りをいれられて起き上がった。
「ひどいっすぉ・・・むにゃむにゃ」
 眠い目をこすって抗議の声を上げる。
 余談ではあるが、作者には実際にむにゃむにゃと言った親友がいる。
「いたいぃ」
 とこざるは言いながらもなおも寝ている。
 机をよく見ると、大酒豪アリアドネがそこに居た事の証が散乱していた。
 エリファスは使い物にならないこざるをALFに担がせてとりあえず港へ行くことにした。

 空は快晴、雲はまばら。
 カモメが泳ぐように数羽飛び、時折太陽光をさえぎり光が目にちらつく。
 潮風も波も穏やかに流れている。
 航海者に物を売る商人、露店を開く地元の民、見送りをする者の声などで賑わっている。
 遠くの造船所から金槌の音が流れ、喧騒にリズムを作っていた。
 エリファスの羽根帽子の羽根が潮風に揺れた。 
「びえっくしょん」
 ALFに担がれたこざるの鼻に触れていたらしく、こざるは大きくくしゃみをした。
「ぬぁんらぁ、むずむずするぅ」
 鼻水を垂らしながらこざるが目を覚ました。
「ちょ、こざるさん」
 鼻水がALFの鎧に今にも垂れそうになっている。
 こざるはひょいっとALFの背から降りて鼻水を拭いた。
「いい空気が台無しだな」
 エリファスはこざるを横目で軽くにらんだ。
 こざるは鼻水をさらに拭いながら、
「お前の羽根のせいだろおお」
 鼻水をすすって抗議した。
 談笑しつつ船を係留している場所に歩いた。

「やっと起きたのね」
「おっせぇお」
 船に着くとアリアドネとぷにこが船尾の窓から顔を出した。
「俺らより飲んでたお前らがなんでそんなに元気なんだよ」
「まったくですお」
 二人に笑いを向けながらエリファスは船に乗り込んだ。
 ALFはあきれた苦笑いを浮かべる。
 こざるが船に乗ると、アリアドネとぷにこが甲板に出てきた。
「もうぷにこと航海用品と食料と水は積んだよ」
 アリアドネは面倒見がもの凄く良いので手際よく出航準備を済ましていた。
 過剰な程に整った調度品などはすべて彼女の懐からの物であろう。
 船は新造と言って良い程に綺麗であった。
「あれ、中古キャラベルじゃねえのか」
 エリファスは船を眺めて首を傾げた。
 提督室から遠望した時はもう少し使い込んだ船に見えていた。
 アリアドネはいたずらっぽい微笑みを浮かべた。
「ぱぱの用意した船じゃボロボロで可哀想だから中古で一番良さそうなのを
買っといたのですよ」
 アリアドネは腰に手をあてて胸を張った。
「お姉ちゃんかわゆす」
 全員の声が重なった。
「ちょっと、そこじゃないでしょ」
 アリアドネが抗議の声を上げるが、エリファスがアリアドネの頭を撫でる。
「おっし、それじゃぁ出航するぞっ」
 エリファスはアリアドネの頭を撫でながら水平線に顔を向け言った。
「えろふは副長、ぷにこは料理雑用、こざるは視認だ」
「了解っす」
「がんばるおっ」
「望遠鏡よこせっ」
 各々で返事をしつつ水平線に顔を向ける。
「目指すはグランドライン、碇を上げろ帆を張れ」
「おおお」
 それぞれが持ち場について船は係留所を離れていく。

 空は快晴、風は順風、日は昇りつつあった。
 航海を祝福するかのようにカモメが船の周りを舞う。
 数隻の船が明日を夢みて各方角に向かう。
 知人の船に手を振り互いに航海の無事を祈った。
 リスボンの町が少しづつ小さくなっていた。

「私降りてないんだけど・・・」

続く!
by eliphas_s | 2007-05-16 01:12 | 脳内連続小説
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